第１部．クラシック(32'22")

• 15:00:00-15:02:00(02'00")開会あいさつ

皆様、本日は（お足元の悪い中、）われわれ富山トロンボーンファミリーの第１回定期演奏会にご来場いただき、どうもありがとうございます。
皆さんの中には、トロンボーンだけによる合奏・アンサンブルといいますが、これをお聞きになったことのある方はどのくらいおられますでしょうか。今日は、これから１時間半から２時間くらいの間、トロンボーンの響きをたっぷりとお聞かせしたいと思います。
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第１部はクラシックの作曲家による曲を取り上げました。１曲めは音楽の父ヨハン・セバスチャン・バッハのパッサカリアという曲です。原曲はパイプオルガンのために作られたパッサカリアとフーガという曲ですが、実は、このオルガンという楽器は意外にトロンボーンと縁が深いのです。というのも、トロンボーンはもともとオルガンとともに教会の聖歌隊の伴奏として使われていたからなんです。そういう意味では、パイプオルガンの響きはトロンボーンの響きの原点とも言っても言い過ぎではないくらいです。バッハのオルガン曲は、他にもたくさん、トロンボーンアンサンブルのために編曲されています。
この曲パッサカリアは、最初に低音のメロディーで始まりますが、そのテーマが曲を通して何度も繰り返されて、その上で次々に変奏が行われる、という形式になっています。
重厚なオルガンの響きと、次々に奏でられる各種の変奏をお楽しみください。
• 15:01:30-15:08:00(06'30")バッハ／パッサカリア

ありがとうございました。教会のオルガンのイメージをお伝えできましたでしょうか。
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さて、もう１曲バロック時代のドイツの作品をお送りします。今度は、トロンボーンのために書かれたオリジナル作品です。
シュペールという作曲家の２つのソナタというこの曲は、３本のトロンボーンのために書かれました。上の２本が掛け合いや和音によりメロディーを担当し、下の１本が通奏低音的にそれらを支える、という形になっています。現在使われているトロンボーンには、大きく分けるとテナートロンボーンとバストロンボーンの２種類がありますが、上の２本をテナートロンボーンが、下のほうがバストロンボーンが担当します。バストロンボーンのほうが大きさもちょっと大きく、より低い音を出します。
今日は、われわれＴＴＦの女性メンバー３人により演奏したいと思います。では、シュペールの２つのソナタをどうぞ。
• 15:09:30-15:13:08(03'38")シュペール／ソナタ

ありがとうございました。
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さて、今度はうって変わって、現代の曲をお送りします。デュファイというフランスの作曲家による４本のトロンボーンのための４つの小品という曲です。
現代のフランスの作曲家はトロンボーンアンサンブルのための曲を数多く書いています。これらの中には、パリの国立音楽院の課題試験を委嘱されて書かれたものや、先ごろ解散したパリ・トロンボーン４重奏団のために書かれたものもあります。
これらの曲は、現代曲であるという点、トロンボーンの高度な演奏技術を知りつくして書かれた曲であるという点の両方の理由から、どの曲も演奏するのが難しい曲として知られています。
デュファイのこの曲も、例外ではなく、アマチュアのトロンボーン奏者には一種の冒険といえるかもしれません。
題名のとおり、４つの曲からなり、１曲めは教会の合唱を思わせるコラール、２曲めはそれぞれのパートがモザイク模様の一部分ずつを担当することにより全体として止まることのないメロディーを奏でる常動曲、３曲めは各パートに伸びやかな高音域を要求されるレント、そして最後に２本ずつのトロンボーンの掛け合いの妙による終曲と、緩急の曲が交互に出て来ます。では、４曲続けてお聞きください。
• 15:14:38-15:25:08(10'30")デュファイ／４本のトロンボーンのための４つの小品

ありがとうございました。（４本のトロンボーンの競演をお楽しみいただけましたでしょうか。）
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さて、第１部最後の曲となりました。今世紀のアメリカの作曲家、バーバーによる弦楽のためのアダージョをお送りします。この曲は、題名のとおり、弦楽合奏のために書かれた曲ですが、さらに起源をたどると、弦楽４重奏の１つの緩除楽章から取られています。ただ、現在では、編曲後の弦楽のためのアダージョとしてのほうが有名で、映画の中の挿入曲としてもよく使われています。また、弦楽器以外のさまざまな楽器のために数多くの編曲がなされていて、今回取り上げるトロンボーンのための編曲もその一つです。密やかな息の長いメロディーを各パートがかわるがわる奏でます。原曲の持つイメージをうまくお伝えできれば幸いです。
なお、元は４パートのための編曲ですが、今回は、各パート３本から４本で重なり、ご覧のとおり13人の出演者全員によって、演奏します。
• 15:26:38-15:32:22(05'44")バーバー／弦楽のためのアダージョ

ありがとうございました。ここで、10分間の休憩をいただきます。

15:33:00-15:43:00(10'00")休憩

• 15:43:00-15:46:00(03'00")ミラー／メインストリート

ありがとうございました。第２部はポップスと銘打って、アメリカの作曲家による、より親しみやすい曲をお送りしていきます。
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１曲目にお送りしたのは、ミラーという作曲家のメインストリートという曲です。アメリカの目抜き通りを闊歩するニューヨーカーのイメージでしょうか、そんな雰囲気をお伝えできたかと思います。
さて、このステージでは、プログラムの１曲目から３曲目までが、全て４本のトロンボーンによる合奏になっています。この４重奏という形式は、トロンボーンアンサンブルの中ではもっとも一般的な形です。３本のテナートロンボーンと１本のバストロンボーンという編成で、ゆったりとした曲から小気味良い曲まで幅広くこなします。
次の曲は、ウーバーの作品です。トロンボーン吹きでもあるウーバーは、トロンボーンアンサンブルの曲をたくさん書いています。これから演奏します曲はたそがれのバラード、魔法使いの踊り、モダンなコラールという３つの小さな曲からなる組曲で、いずれもトロンボーンの特徴を十分に生かした曲となっています。
独特の雰囲気を持ったハーモニーをお楽しみください。
• 15:47:30-15:53:30(06'00")ウーバー／４本のトロンボーンのための３つの小品

いかがでしたでしょうか。
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では、もう１曲４重奏曲をお送りしたいと思います。今度は、ウッドという作曲家の楽しい組曲です。４つの曲には、タンゴ、ソング、パロディ、ラメント哀歌（悲しい歌）という題名がつけられています。タンゴは、まさにタンゴのリズムに乗って、少しうら悲しいメロディーが奏でられます。ソングは、私の勝手な解釈によれば、水平線と青空の間に浮かぶ白い船といったのようなイメージの曲です。パロディはその名のとおり、楽しげな曲、哀歌は深い悲しみをおどけたしぐさの中に隠しているかのような曲となっています。
ではお聞きください。
• 15:55:00-16:02:11(07'11")ウッド／４本のトロンボーンのための４つの小品

ありがとうございました。
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さて、ポップスと言いながら、なかなか皆さんのよくご存じの曲が出て来ませんでしたが、ここで、オールディーズの定番中の定番、フライミートゥーザムーンをお届けします。
フランク・シナトラやその他多くのオールディーズシンガーのナンバーとして有名ですが、最近では、アニメ新世紀エヴァンゲリオンのエンディングテーマとして使われたことで、新しい世代の人たちにも知られるようになりました。
原曲には女の子が恋人に「私を月に連れて行って。星に囲まれて遊びたいの。」とねだる大変ロマンチックな歌詞がついていますが、今回お送りするトロンボーンのための編曲では、リズムやテンポの違いでお聞かせします。ゆっくりとメロディーのさわりを歌ったあと、流れるようなボサノバ調が始まり、パンチの効いたスウィングのリズムに展開したあと、再度調を変えてボサノバに戻ります。
夜空に浮かぶ月に思いを馳せてお聞きください。
• 16:03:41-16:08:11(04'30")ハワード／フライミートゥーザムーン

ありがとうございました。原曲のイメージと、トロンボーンのセッションのマッチングをお楽しみいただけましたでしょうか。
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さて、第２部最後の曲となりました。ペダーソンという作曲家の作品です。ペダーソンは先程のウーバーと同じくトロンボーン奏者でもあります。こちらはジャズのバストロンボーン奏者ということもあり、バストロンボーンが活躍する曲を多く書いています。
演奏しますボスコロスコはアップテンポのスウィング系の曲です。実は、FMとやまのほうでCMのバックに使ってもらっていましたので、お聞きになった方もおられるのではないかと思います。ラジオでお聞きのものより、少し落ち着いたテンポで演奏したいと思います。では、ボスコロスコをお聞きください。
• 16:09:41-16:11:51(02'10")ペダーソン／ボスコロスコ

ありがとうございました。ここで、10分間の休憩をいただきます。

16:12:00-16:22:00(10'00")休憩

• 16:22:00-16:24:00(02'00")前置き

第３部はステージの印象もがらっと変えて、クリスマスソングの数々をお届けしたいと思います。今週にはもうクリスマスがやって来ますが、皆さんはもういろいろご計画のことと思います。今日は数あるクリスマスソングの中から数曲選んで、お届けしたいと思います。ちょうどステージにはサンタクロースもクリスマスツリーを持って駆けつけてくれましたので、いっしょにステージを盛り上げたいと思います。
ここで演奏します曲は、実は、２部に演奏した曲を作った人が編曲している曲になります。
まずは、ウーバー、先程、たそがれのバラードなど、独特な雰囲気を持つ曲をお送りしたところですが、この人の編曲したクリスマスソングを２（３）曲続けてお送りします。
まずは、諸人こぞりて、そして次にあめにはさかえ、最後に飼葉桶にすやすやとです。いずれも原曲の賛美歌のイメージにウーバーの雰囲気を微妙に加えた編曲となっています。元は４重奏の編曲を各パート３、４人ずつで演奏します。
では３曲続けてどうぞ。
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• 16:24:00-16:25:46(01'46")諸人こぞりて（ヘンデル Georg Friedrich Haendel 112）
• 16:26:46-16:28:53(02'07")あめにはさかえ（メンデルスゾーン Felix Mendelssohn 98）
• 16:29:53-16:31:51(01'58")飼葉桶にすやすやと（？）1'57"／A Christmas Carol(11)

いかがでしたでしょうか。
次は、第２部で最後に演奏したボスコロスコの作曲者、ペダーソンによる編曲でお楽しみいただきましょう。さきほども申しましたように、ペダーソンはジャズのトロンボーン吹きですので、どのクリスマスソングもジャズ風に、しかもバストロンボーンが活躍するように編曲されております。
元は５重奏の曲を13人で吹きますが、バストロンボーンだけ４人という強力な布陣でお届けします。
ではまずジングルベルときよしこの夜をお聞きください。この２曲はクリスマスソングとしても特に有名ですね。ではどうぞ。

• 16:33:51-16:36:02(02'11")ジングルベル J. Pierpont（ピアポント）
• 16:37:02-16:39:25(02'23")きよしこの夜（グリューバー F. Grueber 109）


ありがとうございました。聞き慣れた曲が、ジャズ風に編曲されていたのがおわかりになったかと思います。
次は、賛美歌の中から「さやかに星はきらめき」、「天なる神には」の２曲をお送りします。

• 00:00:00-00:00:00(00'00")さやかに星はきらめき O Holy Night（アダン A. Adam 2-219）
• 16:40:25-16:43:00(02'35")天なる神には（ウィリス Richard Storrs Willis 114）


どうもありがとうございました。
さて、長い間お付き合いいただきましたこのステージもいよいよあと２曲を残すのみとなりました。最後に演奏いたしますのは、古いイギリスのクリスマスキャロルで、「ともに喜び過ごせ」、そして「神の御子は今宵しも」です。どちらも原曲のキリスト生誕を祝うイメージを伝えながらも、トロンボーンらしい、力強いメロディー展開となっています。
では、お聞きください。

• 00:00:00-00:00:00(00'00")ともに喜びすごせ God Rest Ye Merry Gentleman（イギリス歌謡2-128）
• 16:44:00-16:46:08(02'08")神の御子は今宵しも（ウェード 111）

もののけ姫

スーザ／ワシントンポスト

アプト／ゆうべの鐘は鳴る

カーマイケル／スターダスト